固定金利と変動金利
Q.住宅ローンについて質問します。
これまでは土地や不動産については底の見えない価格下落が続いてきましたが、今後は上昇が見込まれるのではないかというふうにも言われています。
私はこれから新規に住宅建築を考えているところで、いずれかの金融機関から住宅ローンを借り入れしたいと思います。
そこで資料をいくつか調べてみたところ、長期ローンを組む場合には「固定金利」と「変動金利」のどちらかから選択をすることができるということを知りました。
もしこれから住宅ローンを組むとしたら、固定金利と変動金利はどちらを選ぶのがお得でしょうか?
A.一概にどちらが絶対によいということはありませんが…。
市場では変動金利を選ぶ人が増加傾向にあります。
おっしゃるとおり、これまで十数年に渡って不動産価格が下落してきたという過程もあり、新規住宅の購入件数は全体的に下降する傾向にありました。
住宅ローンを販売する金融機関においてはそのような厳しい中でも契約者を増やすため、たくさんのプランが提示されてきました。
平成17年前後には、「固定金利選択型3年」という3年間ごとに金利をどちらにしていくかを見直すことができるというプランの販売に力が入れられてきたのですが、平成18年になってからはこの「固定金利選択型」の住宅ローンはどんどん減少していき、変わって変動金利型ローンが増加してきました。
これは平成17年頃には一旦不動産価格は底打ちをしてその後上昇がされるものという予測から固定金利が推奨されたのですがその後も下落傾向は続き、結果として変動金利型の方が金利が安くなってしまうという逆転現象が起きました。
その結果、昨年までの住宅ローンの利用者数は変動金利型を利用する人が全体の6割近くを締め、反対に固定金利利用者はピーク時の1/6までおちこみ、さらに見直し期間もより短いサイクルのものを選ぶ人が増えてきています。
現在人気があるのは「証券化ローン(フラット35)」というものです。
フラット35には「フラット35S」という省エネルギー性住宅や耐震性に優れた住宅を取得する場合に一定期間金利を引き下げるタイプのものもあり、ローンに詳しい人はこちらを希望することが多かったようです。
参考までに、年収が1500万円超の高所得層は固定金利型を選ぶ割合が高く、年収が低くなるほど変動金利型のローンを希望する割合が高くなるという傾向があります。
全体的にはここにきて急に固定金利を希望する人が増えるうごきもあります。